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【S3 ストレージ料金】オブジェクトサイズによるストレージクラスの損益分岐点

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目次

はじめに

Amazon S3 のストレージ料金を計算する際は、ストレージクラスによって計算方法に注意が必要です。
オブジェクトサイズが 128 KB 未満の場合に 128 KB とみなして課金したり、オブジェクトごとに追加メタデータの料金が発生したりするストレージクラスがある¹ためです。

このため、オブジェクトサイズによっては、ストレージクラス【S3 Standard】より他のストレージクラスのストレージ料金が高くなります
(以降、【】で囲った名称はストレージクラスを示します)
例として「【S3 Standard-IA】128 KB 未満のオブジェクト課金検証結果」 では、【S3 Standard-IA】に 64 KB のオブジェクトを保存した場合、【S3 Standard】よりストレージ料金が高くなりました。

そこで本記事では、オブジェクトサイズに基づいてストレージクラスの損益分岐点を算出し、その結果を説明します。
なお、計算は Excel を使用した机上の試算であり、誤差の可能性からあくまでも目安としてご認識ください。

S3 ストレージ料金の計算

今回調査する各ストレージクラスについて、Amazon S3 の料金¹をもとに算出した、東京リージョンにおける単位あたりのストレージ料金は以下のとおりです。

前述したストレージクラスごとの計算方法を反映して、8 KB 刻みに計算した結果は次の表です。
同じオブジェクトサイズで【S3 Standard】よりストレージ料金が高いセルを黄色で示しています。

グラフにすると以下のとおりで、ストレージクラスの線が交差する箇所があることがわかります。
この交点を詳細に計算することで、損益分岐点を求められます。

損益分岐点

【S3 Standard】との損益分岐点

【S3 Standard】と比較した具体的な損益分岐点の計算結果は、次の表のとおりです。
この損益分岐点より小さいオブジェクトは、【S3 Standard】よりストレージ料金が高くなります。

先ほどのグラフに損益分岐点の数値を追加して、一目で料金の推移がわかるようにしました。

ストレージクラス全体での損益分岐点

なおグラフでは、【S3 Glacier Instant Retrieval】と【S3 Glacier Flexible Retrieval】の線も交差しています。
この損益分岐点も計算した結果、オブジェクトサイズは約 65.777 KB でした。

まとめ

本記事では、オブジェクトサイズに基づいてストレージクラスの損益分岐点を算出した結果を説明しました。
小さなオブジェクトのストレージ料金は、【S3 Standard】より他のストレージクラスのほうが高くなる場合があります。
リクエストやデータ取り出し料金なども加味して、適切なストレージクラスを検討してください。

本記事が少しでもお役に立てば幸いです。

参考文献

¹ "料金 - Amazon S3 |AWS". AWS. https://aws.amazon.com/jp/s3/pricing/, (参照 2025-11-11)

この記事は私が書きました

Hirano

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AWSの知見を身につけるため、一大決心でP&Sに入社しました。 目標はシステム改善に大きく貢献できるエンジニアになることです。 簡単な内容であっても自身が戸惑った点を投稿することで、同じ苦労をしている方の助けになれば嬉しいです!

Hirano

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