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【Kiro】IDE と CLI の使いどころを整理する

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目次

はじめに

こんにちは、パーソル&サーバーワークスのEndoです。
本記事では、2025 年 7 月にプレビューが公開され、2025 年 11 月に一般提供が開始された Kiro について、改めて情報を整理していきたいと思います。

Kiro とは

Kiro は、AWS が開発した AI エージェント機能を備えた統合開発環境です。claude-sonnet や claude-haikuモデルを使用することができます。
Kiro という名前は、「岐路」が由来となっています。

2025 年 12 月現在、Kiro には以下の機能が存在しています。

  • Kiro:Visual Studio Code をベースにした統合開発環境(Integrated Development Environment)
  • Kiro CLI:Amazon Q Developer CLI の後継でターミナルで実行可能な AI エージェント
  • Kiro Autonomous Agent(プレビュー):機能の実装からバグ修正まで、開発タスクを独立して実行

今回は上記のうち Kiro および Kiro CLI に関して、機能ごとの特徴や違いを見ていきたいと思います。

Kiro でできること

Kiro でできること、Kiro CLI でできることをまとめます。
また、本記事では違いを分かりやすくするために、以降、統合開発環境 のKiro を Kiro IDE と記載します。

Kiro IDE / Kiro CLI のまとめ

早速ですが、Kiro IDE と Kiro CLI について表にまとめました。

項目 Kiro IDE(Spec 機能) Kiro IDE(Vibe 機能) Kiro CLI
開発スタイル チャットセッションでの仕様駆動開発 チャットセッションでのバイブコーディング開発 ターミナルで対話形式での開発
機能 ・3つの主要ファイル作成
- requirements.md
- design.md
- tasks.md
・要件~実行までのタスク実行
・インタラクティブな Q&A 形式
・クイックアシスタンス
・コンテキスト理解
・柔軟なアプローチ
・インタラクティブ開発
・カスタム自動化
・チームの標準化
・外部統合
・インテリジェントアシスタンス
・ワークフロー最適化
ユースケース 要件定義~実装までをワークフローとして一貫性をもって開発したい場合 会話的なアプローチで簡単な質問、説明などを受けたい場合 ターミナルを使って即時的な QA やコード理解をしたい場合

次章からはそれぞれの詳細を確認していきます。

Kiro IDE

Kiro IDE では Spec 機能と Vibe 機能を使用した開発が可能となります。
そのほか MCP Server を利用した外部コンテキストの取り込みや、Steering によるカスタムルールの設定・使用なども可能です。

Spec 機能

Spec 機能は、機能開発を構造化してプロセスを分離して要件定義、設計、コーディングやファイル作成などを行う仕組み(仕様駆動開発)を指します。
チャットパネルから Spec モードを選択し、実施したいことや要件などを自然言語で伝えると、以下 3 つのドキュメントを順に生成します。
タスクリストに沿って各タスクの実行内容や実行結果を確認できるため、要件や設計内容にズレがないかなどを把握しながら開発することが可能です。

  • requirements.md:要件定義(EARS (Easy Approach to Requirements Syntax) 形式で記述)
  • design.md:設計ドキュメント(アーキテクチャ、データモデル、プロパティなど)
  • tasks.md:実装のタスクリスト

イベントストーミングから要件・設計・タスクへ。Kiro を活用した仕様駆動開発より抜粋

Vibe 機能

Vibe 機能は、会話的なアプローチで簡単な質問、説明、プロジェクトの構築を行う仕組みを指します。
Kiro Docs では、Vibe 機能のユースケースは以下のように記載されています。

  • インタラクティブな Q&A 形式:コードに関する双方向の会話に最適化されており、質問してすぐに回答を得ることができる
  • クイック アシスタンス:コーディングに関する質問の即時回答やコードの動作について説明など、概念を理解するのに最適
  • コンテキスト理解:コンテキストプロバイダーを活用してコードベースを理解し、説明に重点を置く
  • 柔軟なアプローチ:Spec セッションに比べてより流動的で構造化されていないアプローチを提供

コードに関する質問を自然言語で行い、即時的に回答を得ることやコードの動作に関する説明・理解が可能となります。

Kiro CLI

Kiro の一般提供開始時、Amazon Q Developer CLI (以降、Q CLI)の後継として Kiro CLI が登場しました。
ターミナルから kiro-cli を実行することで、Vibe 機能と同じように自然言語で対話しながら開発することが可能です。

Kiro Docs では、Kiro CLI のユースケースは以下のように記載されています。

  • インタラクティブ開発:ターミナルで Kiro と直接チャットしてすぐにサポートを受けられる
  • カスタム自動化:特定のワークフローに特化したエージェントを作成
  • チームの標準化:チームレベルのベストプラクティスと設定を使用
  • 外部統合:MCP Server を介してツールとサービスを接続
  • インテリジェントアシスタンス:コンテキストに応じた提案と自動補完
  • ワークフローの最適化:スマートフックで反復タスクを自動化

Kiro IDE に設定している MCP Server や Steering の設定などをコピーして Kiro CLI で利用することもできます。
コマンドベースやターミナルで進めたい方や、Kiro IDE ではない 統合開発環境(Visutal Studio Code など)から Kiro を使いたい場合は、Kiro CLI を使用すると良さそうです。

おわりに

今回は Kiro についての基本的な情報を整理しました。
目的に応じて Spec 機能、Vibe 機能( Kiro CLI )と使い分けて利用できると思います。
本記事がどなたかのご参考になれば幸いです。

参考情報

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S.Endo

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S.Endo

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