- 公開日
- 最終更新日
AWS FinOps Agent の Context Files を試してみた
この記事を共有する
目次
はじめに
AWS FinOps Agent(以下、FinOps Agent)に質問しても、汎用的な回答ばかりでアカウント固有の情報を毎回自分で補っていないでしょうか。
私も、リソースの所有チームを説明したり、回答の形式を毎回指定したりしていました。
これを解決できないかと思い、今回は Context Files を使ってみました。
Context Files とは
FinOps Agent に、自分の環境の構造を事前に教えるためのファイルです。
アカウントと所有チームの対応表や、タグ規約、独自の指示などをアップロードしておくと、Agent はそれを踏まえて回答やレポートを作ります。
渡さない場合は汎用的な AWS データだけで答えるため、「このアカウントは誰のものか」といった環境固有の情報は反映されません。
渡せるファイルの例として、以下のようなものがあります。
- アカウントとチームの対応表(どのアカウントをどのチームが持つか)
- 組織構成(部門ごとのコスト配賦に使う)
- 独自の指示(毎回の回答に適用するルール)
- レポートのひな形(出力の構成を揃える)
対応形式と上限は 2026 年 7 月現在で以下のとおりです。
最新の値は Context files and memory を確認してください。
- 対応形式:.txt / .csv / .json / .md / .html / .yaml / .yml
- 1 ファイルの上限:10 MB
- エージェント合計:100 MB
試してみる
アカウントとチームの対応表を渡す
AWS のドキュメント で最初に入れるとよいと紹介されていたのが、アカウントと所有チームの対応表です。
CSV で以下のように書きました。アカウント ID やメールはダミーです。
account_id,team_name,team_lead,email
123456789012,Verification Team,Taro Yamada,test@example.com
Context Files は Agent にアクセスできる全員から見えるため、個人情報や他の人に見られたくない情報は載せないようにします。
これを渡す前後で、同じ質問への回答が変わります。
- 渡す前:アカウントの所有者は不明なまま、ID ベースの一般的な回答
- 渡した後:対応表のチーム名・担当者を使って、どのチームの費用かを添えて回答

1 アカウントしか持っていない検証環境でも、所有者が回答に反映されるのは確認できました。
独自の指示を渡す
回答の書き方を揃えたかったので、独自の指示を Markdown で渡しました。
# Response rules
Always answer with the conclusion first.
When suggesting cost optimizations, use the order: conclusion, reason, next action.
Do not suggest rightsizing for resources tagged env=dev.
Display the breakdown by AWS service, not by AWS account.
Include amounts in USD with an approximate JPY equivalent (1 USD = 155 JPY).
Keep each recommendation to three sentences or fewer.
Treat any month-over-month increase above 20 percent as worth flagging.
コスト削減の提案を求めると、指示どおり結論から述べる形で返ってきました。
提案を短くまとめる指定も反映されており、毎回のプロンプトに書き方を書かなくても方針をファイル側に持たせておけるのは便利です。

使ってみて気づいたこと
①ファイルは UTF-8 で保存します。
日本語を含むファイルをアップロードしようとすると、文字コードで弾かれることがありました。
UTF-8 で保存し直すと通ります。

②細かい指示は完全には守られないことがあります。
「金額に日本円換算を併記する」といった指示は反映されない場合が何度かありました。
結論から述べるといった大枠の書き方は効く一方で、出力の細部まで固定できるわけではないという印象です。
まとめ
FinOps Agent の Context Files を試し、環境固有の情報を渡すと回答が自分の環境に寄ることを確認しました。
アカウントと所有チームの対応表のような小さなファイルからでも効果が出るので、まず 1 つ渡してみるのがおすすめです。
プレビュー段階でも、Agent を自分の環境になじませる手段として十分に使えそうだと感じました。
この記事は私が書きました
野間 太一
記事一覧猫とCloudFormationが好きです。