ENGINEER BLOG ENGINEER BLOG
  • 公開日
  • 最終更新日

コスト最適化ハブのデータエクスポートの罠5選

この記事を共有する

目次

はじめに

AWSのコスト最適化ハブ(Cost Optimization Hub)は利用していますか?
私は今絶賛利用していてコストを削減することに躍起になっています。
コスト最適化ハブはそのデータをS3に出力することができるのですが、少し癖のある仕様になっています。

内容が地味過ぎたので引きを作りたくてタイトルに「罠」とか書いていますが、ただの注意事項の共有です。

1. サービスにリンクされたロールが必要

初めてデータエクスポートの機能を利用するときにサービスにリンクされたロールが必要です。
作成画面の「Create service-linked role」をクリックすると作成されます。
このロールがないとエクスポートの作成が失敗します。

コスト最適化ハブ02.png

データエクスポートのサービスにリンクされたロール

2. データエクスポートの頻度は日次のみ

データエクスポートの頻度は日次のみで変えられません。
今後のアップデートに期待です。

コスト最適化ハブ03.png

3. ファイルの上書き保存はできない

エクスポートファイルは上書き保存することができないです。
一応「データエクスポートファイルを上書き」を選択はできますが、日付ごとにパスが変わってしまうので結局上書きできません。

コスト最適化ハブ04.png

標準エクスポートの作成に以下の文言がありました。

上書きは、コスト最適化レコメンデーションのエクスポートではサポートされていません。

ちなみに以下のように出力されるパスが違います。

# 新しいデータエクスポートファイルを作成の場合の例
s3://bucket-name/export-prefix/export-name/data/date=2025-01-01/2025-02-01T00:00:00.1a2b-3c4d5e6f-7g8h-9i0j-1k2l-3m4n5o6p7q8r/export-name-00001.csv.gz

# 既存のデータエクスポートファイルを上書きの場合の例 s3://bucket-name/export-prefix/export-name/data/date=2025-01-01/export-name-00001.csv.gz

詳細はエクスポート配信についてをご参照ください。

また、上書きされないと当然ファイルは残り続けます。
コストを削減するために集めた情報でコストがかさむという、ミイラ取りがミイラになるみたいなことになりかねません。
ライフサイクルの設定をお忘れなく。

4. 選択できるバケットは設定するアカウント内のバケットのみ

データエクスポートの保管先に選択できるのはアカウント内のS3バケットのみとなります。
他のアカウントのバケットは選択できません。これもアップデートに期待です。

5. 権限委任したアカウントでエクスポート設定をしても自身のアカウントしか出力されない

organizations環境で別アカウントにコスト最適化ハブの権限委任をして、委任先のアカウントでデータエクスポートの設定を行ったところ、ファイルは出力されていましたが、自身のアカウントの情報しか出力されていませんでした。
権限委任の有無に関わらずメンバーアカウントで組織の他のアカウントの推奨事項をエクスポートすることはできません。
組織の全アカウント分のデータエクスポートをしたければ管理アカウントで行いましょう。こちらもアップデートに期待したいです。

AWS Organizations でのデータエクスポートの使用

メンバーアカウントはデータエクスポートを作成することもできますが、これらのエクスポートには、その特定のメンバーアカウントの請求およびコスト管理データのみが含まれます。

まとめ

コスト最適化はまだまだ発展途上なのかデータエクスポートの機能に制約が多いです。
そもそもの話にはなりますが、マネジメントコンソールで確認したほうが情報量が多く見やすいので、CSVファイルに出力する必要があるか?と考えるのもいいかもしれません。(この記事を書いておいて何を言っているんだと自分でも思います)

皆さんの参考になれば幸いです。

この記事は私が書きました

渡邉 和貴

記事一覧

CCoEをやってます。あと森と山に出没します。 好きなAWSサービスは CloudFormation

渡邉 和貴

この記事を共有する

クラウドのご相談

CONTACT

クラウド導入や運用でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
専門家がサポートします。

サービス資料ダウンロード

DOWNLOAD

ビジネスをクラウドで加速させる準備はできていますか?
今すぐサービス資料をダウンロードして、詳細をご確認ください。